糖尿病患者は「五十肩」になりやすい

02. 📋 症状・合併症

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(悩み):「あ痛たたぁ、って肩が痛くて腕が挙がらなくなったんだってぇ。五十肩らしいんだけど、大丈夫かなぁ?」

HANA
TAO

「確か50歳近くでしたね。年齢的にはそろそろ来る頃ですよね。そうtいえば、糖尿病ではなかったかな?ちょっと心配だね。」

この記事「糖尿病患者は「五十肩」になりやすい」では、糖尿病の方の五十肩について調べてみました。

なぜなら、40~50歳代では、「50肩や」「いやいやまだ40肩ですよ」、などと肩の痛みに対して年齢的なことを踏まえて笑い話にもなる五十肩ですが、糖尿病の方は五十肩になりやすく、しかも糖尿病が悪化すると五十肩も治りにくいといった調べがあるのです。

この記事では、なぜ糖尿病があると五十肩になりやすいのか、そして糖尿病が悪化すると五十肩も治りにくくなるのかを調べてみました。

記事を読み終えると、糖尿病と五十肩の関係について知ることができ、糖尿病にならない、悪化させない、血糖コントロールが大切なことが理解でき、受診のきっかけや糖尿病のコントロールに対して積極的に向き合うきっかけになります。

糖尿病患者は「五十肩」になりやすい

糖尿病患者は「五十肩」になりやすい

糖尿病の方の中には「五十肩」に悩まされている方が非常に多いようです。 
一般的には、五十肩は自然に治癒することが多いのですが、糖尿病が悪化すると五十肩も治りにくなる傾向にあります。 

糖尿病は症状が出にくいので、五十肩で受診した際に糖尿病を指摘されることもあります。

糖尿病により損傷部位の血行不良となる

糖尿病により損傷部位の血行不良となる

糖尿病で血糖コントロールが不良な状態では、血管がボロボロいなっています。 

肩を動かすために大きな役割を担っている腱板と呼ばれる4つの筋肉から構成される組織の損傷部分の血行が妨げられます。 

このことが五十肩になりやすいといわれる理由なのです。 

五十肩とは 

肩関節周囲の組織の加齢的変性により疼痛を伴う炎症で、多くは40~50歳代で発症します。 

主な症状として、腕を挙げれない、上着の脱ぎ着きが大変、朝方に痛みで目が覚める、夜寝返りを打つたびに目が覚める、ベルトを通せないなどがあります。 

五十肩の経過

 ある日突然痛みが出現する発症から約2週間ほどは「急性期」と呼ばれ、痛みはかなり強いけど、まだ無理をすれば肩を動かすことができる状態があります。 

つぎに、痛みはやや落ち着いてくるものの肩が動かしにくくなり、無理に動かそうとすると痛む状態が一般的には6か月程度続きます。

40~50歳代から肩周囲の組織がもろくなり始める

40~50歳代から肩周囲の組織がもろくなり始める

五十肩は加齢的変性によるものですが、40~50歳代になるころに肩周囲の組織がもろくなり始めます。 

また、働き盛りと称されるこの年齢では仕事や運動で肩を動かすことが多いことが原因の一つに挙げられます。 

肩自体も他の関節と比べ自由度が高く、大きな範囲を動かすことができるため、構造的にも骨以外の組織が伸長(引っ張られる/伸ばされる)されやすいことが、肩におこりやすい原因とされています。 

腱板の働き 

腱板は肩を大きく動かすために上腕骨の骨頭に対して肩甲骨側の関節の窪みが小さくなっている点を関節包と一緒に強度を高め不安定にならないように補っています。 

しかし、筋肉が衰えると筋肉が骨に付着している腱も硬くなります。

その状態で肩を動かすと肩周囲に無理が生じ滑液包と呼ばれる部分の炎症を引き起こし五十肩の原因となるようです。 

糖尿病と五十肩の強い関係


糖尿病患者の10~20%が五十肩に悩まされている。40歳代から6歳代で五十肩が増え、男性よりも女性のほうが発症する可能性が高い。(米国・整形外科医学アカデミー)
糖尿病患者は五十肩を合併する割合が高いことがわかった。五十肩で受診している方で3割以上の方に糖尿病と診断された。(東京女子医学大学東医療センター)

五十肩は自然に治る

多くの場合、1~2年で自然に治るか、日常生活に支障をきたさない状態になるとされています。 

そのため、急性期にはあまり無理をせずに安静にし、約2週間を経過したのち、痛みに合わせてゆっくりとなるべく大きく動かすことを気長に続けることで、痛みや後遺症を残さず元の状態に戻すことができます。 

かといって、痛みが長い期間続くので、途中から嫌になってしまったり、イライラして無理に動かしてみたり(無理に動かして痛みが出ると急に心配になったりする)して、本当に治るのか心配になることも確かです。

自己流で無理に動かして、却って炎症を増強させ五十肩を悪化させる例もあるので、強い痛みがある場合や仕事・生活に支障が出ている場合は整形外科を受診し適切な治療を受けるほうが安心と思います。

糖尿病で併発した五十肩は血糖コントロールも必要

糖尿病で併発した五十肩は血糖コントロールも必要

糖尿病がある方は、五十肩の発症や悪化を防ぐためにも、食事や運動、薬による血糖コントロールが重要です。 

五十肩が治らず困っている人や、半年以上経っている方の中には、五十肩におさまらず、腱板損傷を招いている例もあります。 

転倒して肩を打った、入り口のドアに強くぶつけた、物を強く引き上げようとして痛めたなど、きっかけは様々のようです。 糖尿病の方は組織がもろくなっていることを踏まえ、かかりつけの先生に相談し、整形外科を受診することをお勧めします。

糖尿病の経過やコントロールの状態などの情報を整形外科医に情報提供できることをねらいとしています。

まとめ 

糖尿病の方は五十肩になりやすいことを解説しました。 糖尿病により損傷組織の血行阻害が原因として考えられます。 血糖コントロールの状態を踏まえて整形外科を受診することが望ましい。

POINT・糖尿病患者は五十肩になりやすい
・糖尿病が悪化すると五十肩も治りにくい
・五十肩にとどまらず腱板損傷を引き起こしている場合もある
・血糖コントロールが大切である

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TAO

悠々自適な経済的自由人に憧れながらも、人として何ができるか模索の毎日です。修士課程で複雑系システムに魅了され頑張らない人生が理想です。

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