「糖尿病の飲み物って考えるよね。」
「お茶はジュースじゃないし、お茶ってなんだか体によさそうな感じがするじゃない。でも、本当に体にとって良いのかな?」
HANA
TAO
「日本人にとって”お茶”は、文化だったり、魂だったりするのかな。だんだん年を取るにしたがって、ジュースよりもお茶を口にすることが多くなってきました。」
「しかも、糖分を含んでいないので、口の中が余ったらしくならないし、さっぱりして後味もいいよね。今回は、その”お茶”が糖尿病の飲み物として血糖値にどのように変化を与えるのかの視点から調べてみます。」
糖尿病の飲み物としてお茶はおすすめ
糖尿病の水分補給としては、糖質を含んでいない水やお茶が一番です。
お茶にはタンニンの一種で、よく耳にするカテキンが含まれています。
このカテキンは、お茶の渋みや苦みを生むのですが、年を取るとこの味がなんとも心地よくなるのですね。
カテキンの抗酸化作用や抗血栓作用が血管をまもる
しかもこのカテキン、抗酸化作用や抗血栓作用、抗炎症作用があり、血管を守る効果があるとされています。つまり、糖質により血管がボロボロになるのと逆の作用が期待できるわけですね。
実際に糖尿病患者が高濃度の茶カテキンを長期間摂取したら、血糖値やHbA1cの低下を認められたとの報告があります。
高濃度の茶カテキンは、いわゆる「トクホ(特定健康用食品)」として販売されている緑茶がそれにあたります。
お薬との相互作用による低血糖に注意
ただし、糖尿病治療で服用しているお薬との相互作用に注意は必要です。中には血糖値が下がりすぎてしまうこともあるようです。
血糖値のコントロールがなかなかつかない、低血糖症状が続くなどの場合も含めて、思い当たるようであればぜひ主治医の先生にご相談ください。
糖尿病の飲み物として、トクホの緑茶の血糖抑制効果はちょっと怪しい・・・?。
珈琲が糖尿病発症予防に関係するかの観察研究のメタ解析で、珈琲(カフェインレス)や紅茶・緑茶で糖尿病の発症の抑制効果があることが報告されました。
これによると、紅茶・緑茶を1日3~4杯飲むと約15%、糖尿病の発症が抑制されたと報告されています。
この報告は2009年なのですが2017年のランダム比較試験のメタ解析によるとHbA1cの改善の有意差は得られなかったようです。
さらに衝撃的な報告が・・・、なんと緑茶の摂取が2型糖尿病の発症と正の相関があるという報告(2018年)あったのです。
つまり緑茶の摂取量が多い人ほど2型糖尿病になりやすいという報告なのです。
先の研究とは全く逆の報告だが、以降の研究が気になるところです。
糖尿病の飲み物としての緑茶の効果を引き出す運動の重要性
ペンシルバニア州立大学の農学部の研究チームの報告では、マウスを使った実験で、緑茶の抽出成分を摂取させ運動をさせたところ、16週間後に体重の減少(27.1%)や空腹時血糖値の低下(17%)し、インスリン抵抗性が減少(65%)しました。
一方、緑茶成分を非摂取あるいは非運動実施の場合は体重および糖尿病の検査値に改善は見られなかったと報告されています。
興味深いのは、「緑茶には糖尿病を改善する効果があることが明らかにされたが、運動をしなければ、緑茶の成分を生かすことはできない。緑茶の摂取と運動の両方が必要だ」ということです。
糖尿病の飲み物として、お茶はジュースと違って糖分は少なそうだし、体によさそう、と考えるのは間違いがなさそうです。
緑茶の成分には抗酸化作用や抗血栓作用があるが飲むだけではあまり効果はないことが分かりました。
緑茶の効果を引き出すためには運動が必要で、緑茶の摂取と運動の両方が血糖値の抑制に働くのです。
POINT
・糖尿病の飲み物はお茶が良い。
・お茶には抗酸化作用や抗血栓作用のあるカテキンが含まれている。
・緑茶の血糖抑制効果の今後の研究に注目
・緑茶の効果を引き出すためには運動が必要である
・お茶には抗酸化作用や抗血栓作用のあるカテキンが含まれている。
・緑茶の血糖抑制効果の今後の研究に注目
・緑茶の効果を引き出すためには運動が必要である