「糖尿病の場合、牛乳はタンパク質を含むからダメって聞いたことがあるけど、実際どうなのかしら?」
HANA
TAO
「確かに乳乳には動物性のタンパク質を含んでいますね。一方で、乳製品であることが健康に良いとの考えもありますよね。実際のところ、糖尿病の飲み物としてはどうなのでしょう。血糖値の変化から調べてみますね。」
糖尿病のリスクを下げる飲み物として”牛乳”はあり。
牛乳やチーズ、ヨーグルトなどが糖尿病に対して動物性タンパク質や脂肪分がたっぷりと含まれていることから、健康に悪いと言うイメージをお持ちではないでしょうか?
実は1日1杯の牛乳が糖尿病の予防に効果があるとの研究報告があるのです。
牛乳やチーズなどをよく食べる人は全く食べない人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが23%減少することが明らかにされたのです(第50回欧州糖尿病学会)。
ただし、肉の摂取量が多い人では糖尿病の発症リスクが上昇しているので、脂肪分の取り過ぎには注意が必要です。
肉に含まれるコレステロールや飽和脂肪酸を多く摂取すると2型糖尿病のリスクが上昇するのですが、動物性脂肪の中でも乳製品に含まれる脂肪分は糖尿病の予防に有用なのですね。
そうはいっても、乳製品は過剰に摂取すると肥満につながります。
そのため「乳製品だけを摂ればいい」のではなく、栄養バランスを考えて1日1杯を目安に飲むことが秘訣ですね。
糖尿病の飲み物としての牛乳にはセカンドミール効果もある
セカンドミール効果とは;最初に摂る食事(ファーストミール)が、次に摂った食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼすという現症。
朝食でシリアルとともにタンパク質を豊富に含む牛乳を飲んだときと、水を飲んだときとを比較した結果、牛乳を飲んだときの方が食後の血糖値の上昇が抑えられたことが明らかにされました。
さらに朝食に摂ったタンパク質が、昼食以降の食欲も抑えられていたようです。
牛乳は糖尿病の飲み物としても血糖値抑制効果が期待される
牛乳のタンパク質は糖尿病で問題視されている糖質の素である炭水化物の吸収を遅らせる効果があるようです。
牛乳には体内への吸収がゆっくりな「カゼイン」と吸収の速い「ホエイプロテイン」とがあります。
この2種類は、機能性成分であることがわかっているのですが、これらのタンパク質の摂取により、炭水化物の吸収が遅くなるようです。
しかも、食欲を促進知るグレリンの分泌が抑えられることで、食欲を抑えるホルモンが分泌されることで満腹感も得られるため、食べ過ぎを予防することができるのです。
さらに、ホエイプロテインにはGLP-1(インスリン分泌を刺激する消化管ホルモン)の生産を高める効果もあるようです。
なんども記すが、牛乳には飽和脂肪酸が含まれています。
飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールや中性脂肪を増やします。
すると動脈硬化の進行を促進させることになるのです。
しかも、炭水化物も含まれることを忘れないようにしましょう。
糖尿病患者が牛乳を飲んでも血糖値は下がらない
これまで読んで、糖尿病の治療中の方は牛乳を飲んで血糖値を下げようとと考えていませんか?これまで、「リスクを下げる」、「タンパク質の吸収を抑制する」と話を進めてきたのですが、間違って血糖値を下げると認識してしまっていませんか?
牛乳自体に血糖値を下げる効果はありません。
牛乳を飲めば飲むほど血糖値が下がるわけではないので、勘違いして飲み過ぎないようにしましょう。
1日コップ1杯程度で十分なのです。
1杯の牛乳を朝食の際に一緒に摂ることで、セカンドミール効果により食後の血糖値の上昇が抑えられ、そのことが糖尿病の発症リスクを下げるのです。
POINT
・糖尿病の発症リスクを下げる”牛乳”の効果
・1日コップ1杯程度の牛乳で予防効果がある
・牛乳には動物性タンパク質や飽和脂肪酸があるので過剰摂取は動脈硬化を進行させる
・牛乳を飲むことによって炭水化物の吸収遅延がおこり、満腹感が得られやすい
・1日コップ1杯程度の牛乳で予防効果がある
・牛乳には動物性タンパク質や飽和脂肪酸があるので過剰摂取は動脈硬化を進行させる
・牛乳を飲むことによって炭水化物の吸収遅延がおこり、満腹感が得られやすい
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