学校で体型や体重のことでいじられたくない。学校保健で肥満を指摘されたら・・・。

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学校で体型や体重のことでいじられたくない。学校保健で肥満を指摘されたら・・・。

こんにちは、TAO。相談があるんです。
学校保健で肥満を指摘された、どうすればいい? 子供のころの肥満は、大人になると自然に痩せるから大丈夫!? 学校で体型や体重のことでいじられる。行きたくない。

HANA
TAO

こんにちは、専門理学療法士で糖尿療病療養指導士のマスターTAOです。

こんな悩みを解決できる記事を用意しました。

この記事で解説する『学校で体型や体重のことでいじられたくない。学校保健で肥満を指摘されたら・・・。』を読んでいただければ、肥満についての知識と取り組み方が理解できますよ。

子どもの肥満に対する理学療法の考え方

子どもの肥満に対する理学療法の考え方

安易なダイエットは危険

肥満なら”ダイエットしなきゃ”、と考えるのは危ない。
というのも、思春期の無理なダイエットは、ホルモンバランスを崩し、将来必要なエネルギー源の備蓄を減らすことになりかねないからです(子どもの肥満と痩せ:榛葉繁紀(しんば・しげき),日本大学薬学部准教授)。
特に女性は将来、妊娠・出産・授乳を経験する可能性があります。そのため自身のエネルギーを子どもに分配するため、エネルギーを体に貯めておく仕組みを持っています。そのための脂肪細胞の数は第二次性徴期までにほとんど決まってしまうというのです。

ということは、無理なダイエットで、その仕組みを壊してしまわないようにしなければならないということになります。

ダイエットを意識すると、まず”ご飯を減らす”との行動を思いつくでしょう。そのため、安易に朝食や夕食を抜いたり、量を減らしたりしてしまう事になります。”量を減らすといいんでしょう”、ということで好きなものだけを食べてキライなものを食べない傾向があるようです。

これでは、ホルモンのバランスを壊すだけでなく、脂肪細胞の数が偏った仕組みが出来上がってしまうことになりますよね。

なかには、子供のころの肥満は大丈夫。大人になったら自然に痩せるから。と思われている方は、脂肪細胞の数が増えた仕組みを作ってしまうと大人になっても自然に痩せない体になってしまうわけです。

また、子どものころにダイエットすると、成長に制限となり、身長が伸びないのではないかと心配される方もいらっしゃるようです。これについても、バランスの崩れた状態での肥満はホルモンのバランスが崩れるため成長が制限されてしまいかねないのです。

肥満になることで骨や筋肉にストレスとなるため、同世代の子どもより、骨の形成や筋肉の発達が早期に行われることになり、小学生高学年で体格が完成され、成長期となる中学生や高校生で身長が伸びないといったことにつながる可能性があります。

肥満対策の基本は食事と運動

子どもの場合、成長が関係するため、端にカロリーカットをする方法は望ましくありません。子どもが摂取しすぎる脂肪分を少なくして蛋白質や糖質と合わせてバランスに気を付けることが必要となります。

体重を増やさないように注意すると、成長に伴い身長が伸びるので相対的に肥満防止になります。そのため、蛋白質とカルシウムをきちんととって子どもの成長を食事面から支援することが大切です。
そうすると、栄養バランスを保つためには、必然的に炭水化物と脂質を減らすことになるわけです。

肥満になるのは、身体に取り入れる量とエネルギーとして消費する量のバランスで決まります。

身体に取り入れる量が多い場合とエネルギーとして消費する量が少ないと肥満になるわけです。

したがって、身体に取り入れる量を減らすこととエネルギーとして消費する量を増やすことが肥満を解消することになります。

このエネルギーとして消費する量を増やすのが”運動”というわけです。

成長過程と運動内容(小学生+中学生)

肥満に対する運動といえば筋トレとウォーキングが一般的ですよね。

ジムに通ってバーベルを持ち上げて、スタッフの掛け声に自分を追い込んで・・・。小学生や中学生が?

食事と同様に、この運動についても注意が必要です。

おとなは、骨成長が落ち着いているのに対し、成長過程にある小学生や中学生ではその成長過程に合わせた運動を行う配慮が必要です。

具体的には、3~10歳の段階では基本的運動能力(FMS:Fundamental Movement Skill)と呼ばれる、すべての運動の基礎となる能力の向上を目指す必要があります。この基本的運動能力とは、走る、投げる、跳ぶなどのスポーツを行う上での基礎となる能力です。
この能力は10歳までに培われ、この時期までに基本的な動きは成人と同様になるといわれています。

つまり、この基本的運動能力の如何により、身体活動量や心肺機能への影響に加え、筋機能や柔軟性にも影響を与えます。
この3~10歳は小学校の低学年までに相当し、この時期には様々な遊びを含めスポーツを行い、動きの多様性によるスキルを中心としたトレーニングが求められます。
次に、骨成長が著しい小学校高学年から中学生頃は心肺機能や持久力の強化を図るといいでしょう。

さらに、高校生など骨成長が落ち着いた段階になると、筋力の強化を取り入れることが運動にパワーをもたらすことになるでしょう。

子どもの肥満はなぜ問題か?

子どもの肥満はなぜ問題か?

子どもの肥満が問題になるのはなぜでしょう?

脂肪細胞の数が第二次性徴期までに決まるからです。

そして、肥満は各種の合併症を伴うのですが、特に生活習慣病と呼ばれる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因となります。またこれらの疾患は、動脈硬化を促進して将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクを高めるからです。
しかも、子どもの頃から動脈硬化が進行していくとなるとこれらの症状が重症化することになるわけです。

さらに。年長jの肥満ほど大人の肥満に移行しやすいことがわかってきているのです。思春期の時期になると身長が伸びて体格が形成されてしまい、肥満を引き起こす生活習慣が定着してしまっているので戻すことが大変難しくなるのです。そのため、子どもの肥満に対する対策が大切だとされているのです。

実際に、幼児期肥満の25%が生活習慣病の原因になっているのに対して、学童前期肥満の場合は約40%、思春期肥満に至っては70~80が生活習慣病の原因になっているという報告もあります。

何より怖いのが、成人の肥満と同様、すぐに病気になるわけではないことです。

糖尿病と同じく、血管に少しずつストレスをかけてボロボロにしていき、気づいたときには病気がかなり進行してしまっているといった状態を引き起こすのです。

2016年から運動器の健診項目の追加

2016年から運動器の健診項目の追加
学校検診では、2016年から運動器の検診が項目に追加されました。
1979年に側湾症が実施開始となっていますので、ご両親は受けた記憶があるかと思います。

そう、後ろ向きに立って背骨がまっすぐかを調べられたり、下ろした両腕と体のサイドラインが左右対象化とか、ゆっくりと前屈したときに肩甲骨の高さに左右差がないかなどの、あれです。

最近は、”床に踵を付けたまましゃがめない”子がいるそうです。昔はヤンキー座りとかうんち座りとかいっていたあれです。和式の便器ではしゃがめずに後ろに倒れてしまうそうです。また”屈伸時に膝や腰に痛みがある”など運動器に関する様々な課題が増加していることが背景にあるようです。


POINT
  • 学校保険での運動の関わりとして、身体的にも精神的にも成長段階にあるため、介入にあたってはその特性を考慮したものである必要があります。
  • 子どもの肥満は家族で取り組む
  • 食事は量よりも糖質とタンパク質、脂質のバランスを重視して
  • 運動は子どもの成長過程を考慮した内容を

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悠々自適な経済的自由人に憧れながらも、人として何ができるか模索の毎日です。修士課程で複雑系システムに魅了され頑張らない人生が理想です。

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