「はいっ、お尻をしっかり挙げて」
ブリッジング動作を指導しているときの掛け声ですね。
この運動は、仰向けに寝た状態でブリッジングを行うことにより体幹を伸ばし、立位バランス能力を強化することを目的としています。
糖尿病になると活動性が乏しくなり、運動の機会が少ないことが多いですね。
ゴロゴロと寝た状態をとると、仰向けでも横向きでも膝を曲げ同時に股関節も曲げた、軽く膝を抱えているような状態になっていませんか?
楽な姿勢ではこのように、股関節も曲げた状態をとるわけです。
この姿勢が長く続くと、次第に股関節が曲がった状態となります。
これは、意外と若い人でも多いのですよ。
デスクワークが増え、移動は車になり、常に股関節を曲げた状態での生活をしていますよね。
更に、若い女性では姿勢の変化がともない、どちらかというと”反り腰”の姿勢となっていることが多いのです。
下肢を伸ばして仰向けに寝た状態や壁を背に立った状態で腰の部分に掌が2つ以上入るようであれば、間違いなく反り腰ですね。
骨盤が前に倒れた状態となり、大腿骨との角度が生じて、長く続くとこの間の筋肉が短縮して硬くなってしまっていることがあります。
この筋肉を腸腰筋、大腰筋といいますが、この筋肉が短縮しているかどうかを調べる方法があります。
ベッドに腰かけ、そのまま仰向けに上体を倒します。
両膝がベッドから出た状態ですよね。
その状態から、片方の膝を胸の方に抱え込んでください。
すると反対側の膝がベッドから持ちあがっていませんか?
ベッドが柔らかいと、分かりにくいかもしれませんが、脚の付け根の前の部分(鼠径部)の筋肉が突っ張っているのに気づくでしょう。
この筋肉が、腸腰筋といわれる筋肉です。
ブリッジングによりこの筋肉が伸ばされるし、太ももの筋肉も引っ張られていますよね。
こちらは大腿四頭筋と呼ばれる筋肉です。
前回のSLRで筋肉をトレーニングする方法で紹介させていただきました。
この大腿四頭筋がストレッチされると同時にこの筋肉を使って臀部を持ち上げることになってもいるので、筋肉を収縮させながら伸ばすといった効率的なトレーニングになっています。
このトレーニングの際に、お尻をぐっと締めることにより、大殿筋と呼ばれる 今流行りのプリケツ筋肉が鍛えられています。
一つの運動でいくつもの効果のある、おいしい運動です。
やり方をまとめてみましょう。
- 仰向けに寝た状態から両膝を曲げ、お尻をゆっくり持ち上げます。
- このとき、ドローインをしながら行うとより効果的です。
- 約3秒かけて持ち上げ、3秒止め、3秒かけて下す様に意識するといいでしょう。
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