高血糖昏睡
高血糖そのものが原因となって生じる合併症です。2型糖尿病では病気が進行し膵臓からほとんどインスリンが出ないときや大きな手術によるストレスや感染、たとえばインフルエンザなどで高熱が出て血糖が非常に高くなって、意識を失ってしまう状態になります。
代表的なのが糖尿病ケトアシドーシスと高血糖高浸透圧症候群です。
糖尿病ケトアシドーシス
体の中のインスリンが不足した状態では、体を動かすためエネルギーとして血液中のブドウ糖が使えなくなります。そのブドウ糖の代わりに大量の脂肪が分解されます。大量の脂肪が分解されると肥満の解消につながりそうな感じがしますがそうではありません。
大量の脂肪が分解され遊離脂肪酸が大量に生成されると、この遊離脂肪酸は肝臓でケトン体と呼ばれる、酸性の強い物質に変わります。
こうなると通常血液中のpHは一定に保たれているのですが、この均衡が崩れ、一気に酸性(アシドーシス)化に傾きます。
この状態をケトアシドーシスと呼ばれます。
血液が酸性化に傾くと、のどが渇いて水分を欲しがり、尿量が多くなります。
あれ、この口渇と多尿、どっかで同じ症状がありましたね。
そうです、糖尿病の症状と同じです。多尿になるため体の中の水分が放出されるため脱水状態になり、次いで血圧は低下するため、意識が遠のき、ついには昏睡状態となります。これが糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる状態です。
では、どうやってケトアシドーシスになるのかというと、糖分の多い清涼飲料水を大量に飲んだ時に起こることがあります。
体調が悪いから、栄養ドリンクを2~3本一気に飲み、のどが渇くので脱水になってはとポカリスエットを大量に飲んだりとすると体内のインスリンが不足した状態では大量に糖を摂取する事でより一層インスリンが少ない状態となり、ますますケトアシドーシスの状態を助長してしまう事になります。これらのことからペットボトル症候群(ソフトドリンク症候群)といわれることもあります。
高血糖高浸透圧症候群
血液中の糖が増える事により、血液の濃度が高くなります。人の細胞は血管壁を介して、血液の濃度を一定に保とうとしています。
糖により血液の濃度が高くなると、血液の浸透圧(血管壁を介して濃度を保とうとする力)が高くなり、細胞から水分を血管内に引き寄せ、血液を薄めようとします。
この水分は尿となって排出されるため、多尿となることで体内の水分が少なくなります。結果、脱水症状を招き昏睡状態となります。
これは、十分な水分を摂らずに、甘いものを食べたときや、利尿剤を使っているときなどが起こるきっかけとなります。
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