「糖尿病って日頃の生活が関係するって聞いたけど、前もって分かってたらちょっとは用心するかもと思うんだけど。」
「でも、もし調べるってなったら病院行って調べるんでしょう。大変そうだし、なんだかちょっと怖いし、やっぱりいいかな。」
HANA
TAO
「糖尿病になってからだと病院で血糖値やHbA1c値などを見て診断がつけられるのですが、予測ツールを使うと糖尿病になる前に予測が可能なようです」
糖尿病リスク予測ツールとは
概要;本ツールは、職域多施設研究(J-ECOHスタディ)で収集した労働者3万人の健康診断データにもとづいて、AI(人工知能)を作成するニューラルネットワークという機械学習の一手法により開発しました。全体の3分の2のデータを用いて糖尿病のリスク予測モデルを構築し、残りの3分の1のデータによりその精度を検証しました。血液データを含むモデルの予測精度は高いことを確認しています。
糖尿病の診断
血糖値とHbA1c
①血糖値とHbA1cがともに糖尿病型である場合は糖尿病と診断されます。糖尿病型:血糖値(空腹時≧126mg/dL、OGTT2時間≧200mg/dL、随時≧200mg/dLのいずれか)
HbA1c(≧6.5%)
②血糖値のみが糖尿病型で、糖尿病の典型的な症状がある場合や確実な糖尿病性網膜症がある場合は、糖尿病と診断されます。
②-1.典型的症状や網膜症がない場合は、なるべく1ヵ月以内の再検査となり、そこで血糖値とHbA1cの両方またはその一方が糖尿病型の場合は糖尿病と診断され、そうでない場合でも糖尿病疑いとなり、3~6ヵ月以内に血糖値およびHbA1cの再検査となります。
③HbA1cのみが糖尿病型の場合は、なるべく1ヵ月以内の再検査となり、血糖値とHbA1cともに糖尿病型の場合や血糖値のみが糖尿病型の場合は糖尿病となります。
③-1.HbA1cのみが糖尿病型の場合やいずれも糖尿病型の場合でも糖尿病疑いとなり、3~6ヵ月以内に血糖値およびHbA1cの再検査となります。
HbA1c:1~2ヵ月の血糖の状態が反映されます。そのため、検査前の数日間だけ糖分を控えたり、逆に糖分を多く摂ったとしても変動しないので、その人の体内の血糖の状態をより的確に反映しているといえます。この検査は、医療機関での診察・検査となりますので自分で検査することはできません。
糖尿病の原因
糖尿病は、増加傾向を示しており、40歳以上の人の4人に1人は疑われるとされています。(平成26年国民健康・栄養調査報告)2型糖尿病は、遺伝的素因を背景にしていて、そのうえに生活習慣などの環境要因や加齢の影響が加わると糖の代謝能力が徐々に低下して発症します。糖尿病が怖いのは、初期の段階では自覚できないことが多いことです。糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害の3大合併症に加え、心血管疾患やがん、認知症などの疾病リスクが高くなることが報告されています。
アジア人は糖尿病になりやすい
アジア人は遺伝的に糖尿病のリスク因子を持っているとされ、インスリン分泌能力が西洋人よりも低いことが判明しています。これは、脂肪の貯蔵メカニズムが西洋人と異なり、内臓脂肪がつきやすい体質だということです。
人種的に内臓脂肪がつきやすい特徴があることからも、生活習慣・生活環境を見直す必要があるようです。
遺伝子的に予測
遺伝子は、身体の設計図と呼ばれています。遺伝子検査では、身体を構成しているタンパク質を作るための情報を4種類の塩基の並び方の違いによって、生まれつきの体質や疾病の発症リスクを調べています。
あらかじめ自分の体質や傾向を知って、将来を見据えて生活習慣を見直したり、体質に合った食事やダイエット方法等を再考する機会にしたいですね。
ネットの遺伝子検査は大丈夫?
「遺伝子検査サービス」の問題
ネットで気軽に利用できる検査は、DTC(ダイレクト・トゥー・コンシューマー=消費者直接販売型)遺伝子検査と呼ばれています。このDTC遺伝子検査は、予防医療や先制医療につながることから大きな期待がある反面、民間企業が医療機関を介さずに販売されていることから問題点も指摘されています。
DTC遺伝子検査では、DeNAやYahoo!、DHC等一度は耳にしたことのある企業が新たなビジネスチャンスとして参入しています。国内でも数十社が事業展開しているようです(経済産業省調べ)。
遺伝子情報は非常にデリケートなものですから、究極の個人情報ともいえるでしょう。
個人遺伝情報の保護・管理が徹底している会社を選ぶことが安心して利用するための条件となるでしょう。
CPIGI認定を確かめて、個人遺伝情報を取り扱う企業が遵守すべき自主基準を満たし、健全で適切な遺伝子検査サービスを提供しているかどうかを確認するようにしましょう。
検査方法
基本ネットでの申し込みになります。唾液や口腔粘膜、毛髪を送ることで、ゲノム(全遺伝情報)やその一部を解析して、その結果が送られてきます。病院との違い
企業側としては、健康増進のための検査商品としてのサービスであり、医療診断やその行為ではないので、あくまでの確率に基づく疾病罹患の可能性を予測するものです。つまり、医療で行われている診断のための確定的検査とは違うことを理解して利用することが求められます。
これは、検査の分析的妥当性(精度の高さ)や臨床的妥当性(感度の高さ)は検査会社によって異なることを理解しておく必要があります。
そのため、患者や家族から「遺伝子検査を受けたいのですが・・・」と相談されても、医療機関で検査キットの使用を推奨されることはありませんよ。
まとめ
どうでしたか?糖尿病は、初期症状に気づかないことが多いため進行してから指摘されることが多く、しかも目や腎臓、脳や心臓にも影響を与える疾患です。まえもって自身の体質や環境を知り未然に防ぐことで、重大な疾患に罹患することを防ぐことが可能です。
この記事が、少しでも役に立つことを願っています。
POINT
・国立国際医療研究センターの糖尿病リスク予測ツールを紹介しました
・糖尿病の原因に遺伝的素因に加え環境要因が密接に関係する
・遺伝子検査サービスの紹介と問題点をまとめました
・糖尿病の原因に遺伝的素因に加え環境要因が密接に関係する
・遺伝子検査サービスの紹介と問題点をまとめました
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