大血管症とは
散水ホースを長年ほっておくと、古くなって、硬くなってしまいますよね。ホースの中がドロドロとしたものが詰まってたりします。
高血糖の状態が長く続くと、血管の内皮に損傷を受け、血管が脆(もろ)くなります。
人の体の血管も同じです。このように硬くなって狭くなった状態が動脈硬化と呼ばれる状態です。
血糖値が高いままの状態を放置すると、ホースのように人の血管も動脈硬化が進み脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなるんです。
しかも脳卒中や心筋梗塞だけでなく下肢閉塞性動脈硬化症が生じて、下肢が冷たくなったり、痛くなったり、ひどくなると下肢に潰瘍ができたり、壊死して切断しなければならなくなります。それに、認知症やがんになり易くなるとも言われています。
さらに、歯周病になり易くなります。しかも重症化する事があります。重症化すると白血球などが歯周組織の炎症性物質の分泌を促し、それが血液の中に入ることでインスリンが効きにくくなってしまい高血糖になるのです。こうなると悪循環ですよね。
最近では、歯周病菌が腸内細菌叢に影響を与える事が報告され、内毒素血症によりインスリンが効きにくくなることが分かってきています。
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末梢神経障害とは
血糖コントロールが悪い状態が5年程度続くと症状が出現します。逆に5年程度は、気づかないまま過ごすことになります。
その間、病気は進行しているのにもかかわらず。
症状としては、ビリビリとしびれたり、異常に冷たかったり、逆に熱をもったように感じたり、針で刺されるように感じたり、足がつったり、常に薄皮が張り付いているように感じたり、蟻がモゾモゾと這っている感じがしたりするようです。
この状態になると足の感覚が鈍くなっていて、触っているかどうかよくわからなかったり、ケガをしても痛くなかったりして、靴ずれから細菌感染を引き起こし、ひどい場合は足を切断する例もあります。
網膜症とは
網膜症は目の病気です。目は網膜という毛細血管の集まった部分に目のレンズを通して映像を照射しているのですが、その細い血管に障害が生じます。ひどい場合は目が見えなく(失明)なります。
目が見えなくなることは、非常に怖いですね。
仮に、今目を閉じてトイレまで行ってみてください。
トイレには一日に何回も行くので、位置関係はよく分かっているはずですよね。
でも、行けない。
目の前が真っ暗になって、どこに何があるか、全く分からなくなるのです。
目を閉じているだけなら、瞼を開けると明るい光が差し込んできます。
しかし、病気になって失明してしまうと、いくら瞼を開けようとも光が差し込んでこないのです。
腎症とは 人工透析
腎臓は血液をろ過して老廃物や塩分を尿として体の外に放出する役割があります。また、体にとって必要なものは再吸収して、体にとどめる働きをしています。
この腎機能が落ちると、尿が出なくなって、老廃物などが体に残ってしまう事になります。
腎臓は塩分と水分の排出量をコントロールして血圧の調整をしているのですが、腎臓が悪くなると高血圧になることもあります。また高血圧になることで腎臓に負担をかけてしまい、腎臓の働きが悪化します。
さらに、血液(赤血球)は骨髄の中にある細胞が、腎臓から出るホルモンの刺激を受けて作られるのですが、腎臓が悪くなるとホルモンが出にくくなるため、血液が十分に作られなくなり、貧血になります。
この機能を、補う方法が人工透析なのです。腹膜透析や血液透析がありますが、腎臓の代わりに機械で血液をろ過します。
でも、この透析(血液透析)は、1日おきに行わなければならないのです。
それが、生涯ずっと続くのです。
しかも、1回4~6時間必要なのです。
ベッドの上でずーっと過ごさなければなりません。
退屈しないようにテレビを見たりできるようになっていたりしますが、家族で旅行に行こうにも長旅は旅先に透析できる病院があるか調べなければ遠出できないのです。
風邪を引いたりして、しんどくても、休むわけにはいかないのです。
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