運動指導の現場でよく利用される心拍数を使った運動負荷量とは
運動すると心臓がドキドキしますよね。
この生理的な反応を考慮した方法が、心拍数を用いる方法で、運動指導の現場ではよく利用されています。
大きく2つの方法があり、
①単純に運動時の心拍数が最大心拍数の何%であるかを元にする方法
②予備心拍数(安静時心拍数と最大心拍数の差)を用いる方法
があります。
最大心拍数を用いる方法
運動強度は、心拍数÷最大心拍数の計算式で算出可能です。
つまり、運動強度は、自分が行える最大限の強さを100%とした場合、その強さの40~60%くらいが理想なので、
目標心拍数=運動強度×最大心拍数
を使って、目標となる心拍数を設定することになります。
例:最大心拍数が170の人が強度50%(40~60%)の運動をする場合
目標心拍数=0.5(50%)×170(最大心拍数)=85
ということで、1分間に85回の心拍数になるように運動の負荷量を調整するといいわけですね。
では、どうやって自身の脈拍を知ればいいのでしょう?
脈拍は、手首の中央の筋を境に親指側にその筋に沿って反対側の手の人差し指から薬指の先を添えると、ドクドクと血液の流れる拍動が触れます。それを10秒間、15秒間、60秒間数えてください。
10秒の場合は、6倍、15秒の場合は4倍して、60秒間の回数に合わせてくださいね。
でも、最大の心拍数ってどうやって知ることができるの?
これに関しては、次の項目で詳しくしていきます。
最大心拍数を知る方法
厳密に最大心拍数を知るためには、それなりの負荷をかけて大がかりな機械を用いて調べなければなりません。
えーっ、そんなの無理! いきなり、挫折!!
そうですよね。
そこで、推測される最大心拍数を求める方法があるのです。
推測される最大心拍数=220-年齢
で、求める事ができます。
例えば、50歳の方の場合、
推測される最大心拍数は220-50=170拍/分
となります。
だったら、簡単・簡単。
予備心拍数を用いる方法
この方法は、カルボーネン法(Karvonen Formula)と呼ばれています。
結構、耳にすることが多い方法ですよね。
運動強度=(心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100
ここでも、 運動強度は、自分が行える最大限の強さを100%とした場合、その強さの40~60%くらいが理想なので、一応50%とします。
また、最大心拍数も年齢を用いた推測される最大心拍数=220-年齢で算出します。
目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数
例:50歳で安静時心拍数が60の方が50%の運動負荷強度で運動する場合
1.推測される最大心拍数=220-年齢
=220-50
=70
2.目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数
=0.5×(70-60)+60
=70拍/分
つまり、1分間に70拍となるような運動を選択すると良いことになります。
最大心拍数を用いる方法でも、予備心拍数を用いる方法でもどちらを選択しても大丈夫です。
しかし、不整脈がある方の場合は注意が必要です。
不整脈というのは、正常な場合はドク・ドク・ドクと一定のリズムで脈拍が刻まれているはずなのですが、不整脈になるとドク・・・ドク、ドク・ド・ド・ドクなど、一拍抜けたり、逆に多かったりとバラバラになります。
このとき、心臓では血液をきちんと体に送り出すことができなくなっていますので、ここに運動の負荷がかかると、心臓に必要以上の負担がかかってしまう事になります。
この場合は、お医者様に相談したうえで行う事になります。注意して行いましょう。