血糖に変化と適切な運動タイミング
運動には摂取した食事の血糖値を抑える急性効果が期待されています。一般的には、食後1時間後に運動を開始しましょうと言われていますが本当でしょうか?
実は、血糖値の変化に応じて運動のタイミングを考慮する事で血糖値を効果的にコントロールする事ができるのです。
食直前の運動効果と運動内容
ますは、食事を摂取した場合の血糖値の変化について押さえておきましょう。食事をする前は、それまでのエネルギーを消費しているので、血液中には糖分はあまり含まれていない状態です。
食事直前がもっとも、血液中の糖分が少ない状態といえるでしょう。
逆に、この血液中に糖分が少ない状態で運動を行うとどうなるのでしょう?
実は、運動するためには糖分が必要なわけですから、血液中の糖分をエネルギーに転換しようとしますね。
でも、その糖分が血液中にないわけですから、糖分を作りださなければならなくなります。
つまり、これまで身体に蓄えておいた脂肪や筋肉のたんぱく質を分解して糖分を作り出し、エネルギーとして使えるようにするのです。
そう、感のいい人は気付いたでしょう。
脂肪を燃焼させるためには、空腹時つまり、食事直前の運動が効果的だという事です。
ただし、過度の運動を行うと血糖値が下がりすぎて低血糖となり、意識障害を起こしますので注意が必要です。
さらに、筋肉量が少ない人の場合、筋肉のたんぱく質がアミノ酸として分解されるため、結果的に筋肉が落ちる事になります。
また、体脂肪が分解されるときに体脂肪が遊離脂肪酸が産生され急激に血液中に増えるため、心臓にとっても大きな負担となります。
これでは、本末転倒ですよね。
食直後の運動効果と運動内容
次に、食事を摂取したら含まれている糖質は直ぐに血液中に取り込まれるため、食後の血糖値が急激に上昇し、その後急激に低下することがあります。この急激な血糖値の変動を「血糖値スパイク」といいます。この血糖値スパイクは、血管内壁に大きなストレスとなり、脳血管障害や心疾患を引き起こすきっかけとなるので注意が必要です。
しかも、通常の血液検査、血糖値やHbA1cでは分からないことが多く、CGMなどのホルター心電図のように持続的に血糖値を測る装置を付けておかないとそのことがわかりません。
なので脳血管障害や心疾患を起こした人の中にも血糖値やHbA1cは正常だったのにというひとでも実は血糖値スパイクが原因だったという人も多く含まれていると思われます。
では、この血糖値スパイクに対して何らかの対処方法は無いのでしょうか?
実は、運動療法の急性効果が期待できるのです。
そう、食事摂取後、のんびりとテレビドラマを見ながら、まったりと過ごす・・・・ダメです。
食事摂取後、食べた物を下げ、使った食器を洗い、すこし足踏みをするなどによって血糖値が下がるのです。
ただし、ここで、さあ一丁筋トレしてウォーキングに行こうなどと気合を入れすぎてはだめです。
食事後、直ぐに走ったら横っ腹が痛くなったことはありませんか?
食事を摂ったら、内臓は食事を消化するために多くの血液を要求しているのです。
そこに、激しい運動を行えば、その運動をする為の筋肉に多くの血液が流れ込み、消化器には血液が回されなくなりますよね。
そうすると、血液というガソリンを絞られて状態で、フル稼働させれらた消化機関が悲鳴を上げているのです。
ですから、軽い運動で最適な状態となるのです。